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ノウタケ

 神戸市の東端、六甲山の中腹に私の小学校があった。
当時は戦前からと思われる大きな洋館と最近開発された住宅がまばらに混在する風通しのいい斜面の町だった。
 校庭からは神戸港が一望に見渡せ、周囲はアカマツを主体とした雑木林が点在し学校から少し登れば表六甲登山の尾根筋ルートや沢筋ルートがいくつもあるような場所でもあった。
 ここに私のキノコ好きの原点がある。

 学校の周囲は小さいながらもアカマツやコナラの林に囲まれ在学中は色々なキノコに遭遇した。今回取り上げるノウタケもその一つだ。

 ふもとの阪急電車の駅から学校までは神戸市バスが通っていたが、利用するのは低学年までで3年生以上になると歩いて通学していたように思う。朝は急な坂道を20分近くかけて登り、下校時は逆にダラダラと下っていく。必然的にいろんな帰り道ルートを開発したり楽しみを見つけながら帰ることになるが、ノウタケサッカーもその楽しみの一つだった。

 ノウタケは写真の幼菌の数倍の大きさまで成長する比較的大きなキノコだ。成長すると山食パンや餡パン風の見てくれになる。幼菌の頃は真っ白なハンペン状の肉を持つが、その後ウグイス餡色かかった茶色に色づいてきて綿ホコリの塊っぽくなってくる。同時に頭が割れてきて中から胞子を撒き散らすようになるのだ。

 大きなキノコなので通学路上では結構見つかり、見つけ次蹴り飛ばしながら帰ったものだ。茶色い煙を噴出しながら転がるボールをよけたり蹴り返したり今にして思えばかわいそうな気もするが、広範囲に胞子を撒く手助けをしていたのかもしれないな。

 昨日収穫したヤマドリ一家だが、幸いにもムラサキヤマドリもヤマドリタケモドキも柄には虫は入っていなかった。傘は成菌故固さが失われていたが、柄はしっかりと固く塩黒胡椒のみの味付けでバターソテーで食した。今年初の味は結構なものであった。
 もう一つのキンチャヤマイグチも初めて食べるということで同様にシンプルな味付けでバターソテーしてみた。もちろんスライスした後に切断面が紫灰色~暗灰色に変色するのを確かめてある。こちらも噂にたがわず旨い。特に柄の部分の歯切れがよく旨みもよく出てくる。
 残りはぺペロンチーニ風のあっさりパスタの具にでもするか。


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昨日のイグチなどは虫もいなくて美味しかったんですね〜
う..うらやましいです。。。
フランスの市場で見たイグチ類はみんな半分にナイフが入れた状態で
売られていました。虫がいないのを見せてるんですね。

きのこサッカーといえばオニフスベでした記憶があります。
私が蹴ったのは幼菌だったので胞子は出ませんでした。
by (2006-07-01 21:56) 

ぽっとべりぃ

へー、そうなんですか。
あちらでもイグチ類って虫が入り易いんですね。
セップのほかにどんなイグチが売られてるんでしょうね。
イグチ以外ではジロールとかトランペット・デ・モールなんて名前は聞いて知っているんですが。

あと、オニフスベは見たことないんです。(^^;)
一度見てみたいなぁ。食べたくは無いけど・・・
by ぽっとべりぃ (2006-07-01 23:31) 

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